fc2ブログ

鷹匠の技術 羽のリサイクル 後編 

5月27日 こんにちは、バードスタッフ小澤です。
6日間、お待たせいたしました!今日は前回の続き、接ぎ羽根の施術の様子です。
鷹匠の技術 羽のリサイクル 後編 スタート!
の前に、皆さんもう一度、前回の記事のおさらいからどうぞ→羽のリサイクル 前編

羽5

いよいよハリスホークのギンジくんに接ぎ羽根をおこなっていきます。
一人がギンジくんをおさえ、ギャリーさんが尾羽側に立ち施術していきます。

羽6

まずは1本目。折れた尾羽を根元だけを残し、ニッパーで切り取ります。
ギンジくんの体にはこのように短い羽軸が残っています。

羽11

そこへ、前回準備した新しい尾羽に刺した割りばしを刺し込みます。
つまり、割りばしがギンジの羽軸と新しい羽の羽軸のつなぎ役なんですね!

羽8

羽軸の太さはやはり1本1本違いますし、断面は綺麗な円上でもありません。
刺し込みながら具合を見て、その羽軸にあった割りばしに削っていきます。
1本の羽軸に1本の割りばし、完全受注生産のオーダーメイドです!

羽13

ちょうどいい太さになったら刺し込んでボンドで固定。まずは1本完了。

羽9

同じ要領で続けます。同じように見える尾羽でも外側と内側では微妙に違っていて、
外側は微妙にカーブしています。また角度もうまくやらないと尾羽がうまく重なりません。
何度も広げたり重ねたりしながら、慎重に進めていきます。

羽14

接着部分のアップ。
上から1、2、4、5本目は接ぎ羽根された羽ですが、3本目のものはちょっと違っています。
これはギンジくんの自前の羽で、いままさに新しく生えてきている新しい羽です。
伸びている途中の羽はこのようにストローのようなものでおおわれていて、
伸びてくるとこの角質がはがれていき、中の羽がぱっと開きます。
ちなみに伸びている途中の羽には血管が通っており、折れると大出血します。

羽15

最後に、ショー出演時に取り付ける発信機をひっかけるためのクリップを取り付けて完了!
施術だけで約1時間半!準備期間も入れたらもっとです。お疲れ様でした!

羽10

ちなみに切り取ったギンジくんの尾羽がこちら。
よくこの状態でショーで飛んでいてくれたと思います。
確かにブレーキがきかず腕にうまくとまれなかったり、風が少しでも強いと遠くまで行ってしまったりということが多かったです。

羽12

立派な尾羽をもらったギンジくん。やっぱりこうでなくっちゃかっこよくないですよね!
「ふぅやれやれ、なんだか急にお尻が重くなったなぁ」
まぁそう言わずにギンジくん、明日から飛ぶのが楽になるよ。

今回、接ぎ羽根した尾羽も、やがては毛穴から抜け落ち新しい尾羽が生えてきます。
本来ならばギンジくんの自前の綺麗な羽で飛ぶのが一番です。
その時まで借り物だけど、ギンジくんショーの主役よろしくね!

お知らせ!
29日(金)は、鷹匠ギャリーさんは富士花鳥園へ出張のため不在です。
ヘビクイワシ・ハクトウワシはショーをお休みします。ご了承ください。



掛川花鳥園 公式ブログも併せてご覧ください。

http://kamoltd.blog110.fc2.com/


スポンサーサイト